FXについて
FXと為替の仕組みを知る
FXとは、外国為替証拠金取引(Foreign Exchange)の略で、外貨取引のひとつです。海外旅行に行かれたことのある方はイメージがしやすいと思いますが、異なる通貨の二国間では、そのときのレートによって両替する金額が違いますね。その差から利益が得られると、「為替差益」となります。
もうひとつ、「金利差益」というのがあります。これは、二国間の金利の差による利益です。日本は長く低金利政策を続けていますから、たいていの国が日本よりも高金利です。ですから、他国の通貨を保有すると、日々利息を受け取ることになります。FXでは、“スワップポイント”と呼ばれているものです。
FXでは、この2つの利益を狙います。前者は、ハイリスク・ハイリターンで短期の取引、後者は、ローリスク・ローリターンで中長期の取引というイメージをもっておいてください。
では、そもそも為替とは何でしょうか?
為替は、異なる通貨を取引するために存在しています。わかりやすいのは、“貿易”ですね。いつも1定の取引が行われるわけではないので、通貨の価値はリアルタイムで変動します。その金額が、レートです。土日と元旦を除いて24時間取引が行われています。
為替は国の問題ですから、近い将来の破綻を心配することはありません。
また、貿易がストップすることも考えられません。常に良い関係を保つために、為替はある程度の範囲内で安定するように調整されます。よほど大きな(リーマンショックのような)パニックがない限り、為替相場は落ち着いたものです。
個人投資は、こういった大きなものの動きに乗って利益を得ることになります。戦略しだいでは、お勤めしている方も主婦の方も、安全に挑戦することができますよ!
他の外貨投資と比べて有利!?
FX以外にも、外貨の投資をしている方や検討している方がいらっしゃると思います。いずれも、為替の変動や金利差を利用して利益を得るというものですから、リスクは少なからずあります。比較しながら、FXのメリット・デメリットについて考えてみましょう。
■取引の自由度
為替は常に変動しています。自分なりに見通しを立てて投資していても、その通りになるとは限りません。その場合、どれだけ自由に取引を中断できるのか気になるところです。
外貨預金は、銀行との取引です。手数料が高く、ある程度の利益を確保できずに解約すると、マイナスになってしまいます。定期預金にしてしまうと、中途解約手数料が発生する場合もあります。
外貨MMFは、銀行や証券会社との取引です。手数料は外貨預金より低く、解約は自由です。
FXの場合は、手数料は業者によって無料です。解約も自由なので、利益を確定しやすく、損失を出しにくいといえます。
■元本の保証
外貨預金は、外貨での元本が保証されます。仮に、円高に向かって、円で換算すると元本割れだとしても、外貨のまま保有でき減ることはありません。海外に行かれる方は、そのまま外貨で引き出すこともできます。ただし、銀行が破綻した場合の保証はありません。
外貨MMFは、元本保証がありません。投資信託なので、外貨ベースの保証もなしです。外貨預金に比べてハイリターンを狙えますが、ハイリスクでもあります。しかも、銀行破たん時の保証もありません。
FXも、元本保証はありません。ある1定の有効証拠金額を下回ると強制決済(ロスカット)となり、元本のほとんどを失うこともあります。しかし、「信託保全」をしている業者を選べば、業者が破綻した際の保証はされます(損失の保証ではない)。
FXの特徴1.証拠金とレバレッジを理解する
それでは、具体的にFXの特徴を理解していきましょう。
はじめは、証拠金とレバレッジです。
■証拠金
「証拠金」とは、取引するためのお金です。「保証金」ともいいます。FXの口座を開設したら、証拠金を入金し、“必要証拠金”で取引を開始します。必要証拠金額は、通貨によって異なります。
■レバレッジ
「レバレッジ」とは、スペルは“Leverage”、“てこ”のことです。通常の取引よりも少ない金額で、大きな取引をすることを意味します。わかりやすく言えば、掛け率ということです。
レバレッジは、業者によって設定が異なりますが、1~400倍くらいまであります(2011年を目処に25倍を限度にする動きも)。1倍なら、通常の外貨預金と同じでローリスク、数字が大きくなるほどハイリスクということになります。
たとえば、1万米ドルを買うのに、通常100万円必要だとします。それが、レバレッジ50倍なら2万円、400倍なら2500円の証拠金ですみます。もし2円上がったら利益は2万円、元本比率は、102%(通常)、200%(50倍)、1125%(400倍)ということになります。
FXが、「少ないお金で大きく儲かる」といわれる所以です。
ただし、レバレッジは大きなリターンが狙えるものの、その逆もあります。先ほどの例で、レバレッジ50倍で2円下がったとします。すると、あっという間に元本は0円です(正確にはロスカットで多少残る)。大きく勝てる可能性は仕組みとして持っているのですが、簡単ではありません。
それでは、どれくらいのレバレッジが適正かというと、初心者や金利差益を狙った長期取引の場合は、1~5倍程度、ハイリターンを狙っても40倍くらいにとどめておきましょう。それ以上の場合は、証拠金を失ってもよいという覚悟が必要です。
FXの特徴2.ポジションとスワップポイントを理解する
次に、ポジションとスワップポイントについて説明していきます。
■ポジション
取引中は、「ポジション」を持っているといいます。たとえば、「1万の米ドルの買いポジションを持っている」とか、「1万のユーロの売りポジションを二つ持っている」などというように使います。FXでは、外貨を安く買って高く売ることもできますが、高く売っておいて安く買い戻すこともできます。
米ドルを例にみてみましょう。取引画面には、レートが「90.50-90.55」のように表示されます。左が“売る”レート、右が“買う”レートです。
これから米ドルが上がっていくと思ったら、90.55のレートで買いのポジションを取ります。売るとき(決済)は、左の“売る”レートで約定します。
では、下がっていくと思うときはどうでしょう。そのときは、90.50のレートで売りポジションを取ります。決済の時は、右側の買いのレートで約定です。このように、“売り”のポジションを取ることができるのも、FXの魅力のひとつです。上がるときも、下がるときも、両方利益を狙えるのです。
ちなみに、「90.50-90.55」のように、必ず“買い”と“売り”で異なるレートが提示されます。この開きを「スプレッド」といいます。変動しなければ、90.55で買って、90.50で売るのですから、新規のポジションを取った時点で-0.05です。その意味で、第二の手数料と考えられています。
■スワップポイント
「スワップポイント」とは、金利差分の利息のことです。たとえば、2009年10月現在、日本の政策金利は0.10%、オーストラリアは3.25%で、その差は3.15%です。豪ドルの買いポジションを持っているなら、この分の利息を受け取ることができます。
ただし、売りポジションの場合は逆となります。利息を払わなければなりません。ですから、売りのポジションをとる場合は、短期での取引が鉄則となります。
FXの特徴3.ロスカットルールを理解する
最後に、ロスカットルールについて理解しておきましょう。「ロスカットルール」とは、強制決済のことです。ルールは業者によって異なりますが、理屈はすべて共通しています。それは、投資家の資産を少しでも守るということです。多くの業者は、“証拠金額の30%を下回るとロスカットします”というようなルールになっています。例をあげて説明していきましょう。
証拠金を10万円預託し、必要証拠金額3万円で1万米ドルの買いポジションを持っているとします。そして、ロスカットルールが30%だとします。その場合、必要証拠金の30%、つまり9000円がロスカットのラインです。相場でいうと、9.10円下がったらロスカット執行となります。
■株や外貨預金と違う
株や外貨預金は、どんなに下がってもロスカットルールはありません。ずっと保有し続け、上がるのを待つことができます。国や会社が破綻しない限り可能性が残されています。しかし、FXではそれができません。そのうちにまた上がってくるとわかっていても、強制的に決済されてしまうのです。
■ロスカットルールを執行されてはならない
ロスカットルールは、FXのデメリットのひとつです。しかし、それ以前に、そこまで損失を膨らませず自ら決済しましょう。先ほどの例では、9.10円も下がる間に、「下降トレンドである」という判断ができたはずです。その時点で損失を確定してしまいましょう。
もし2円下がったところで気づいていれば、2万円の損失ですみます。そして、その時点でまた予測を立て、残りの8万円でまた取引を始めればよいのです。FXでは、100%勝ち続けることはありません。ですから、“小さく負けて、大きく勝つ”ということを心がけてください。